2013
Nov
30
1
補聴器選びに欠かせない語音明瞭度測定(語音弁別測定)
補聴器店に初めてご来店頂いたお客様のご相談を行うとき、
必ず行わなければならない聞こえの測定に音と言葉があります。
両方とも重要な測定ですが、今回は言葉の測定を特集します。
すでに補聴器をお持ちのお客様がご来店時の際にも、初回は必ずこの言葉の測定を行います。なぜか・・・信じられないことに、よく聞くお声が「言葉の測定をしたのは初めて」だからです。
言葉の測定をしないで補聴器を購入し、偶然上手くいっているケースもあるとは思いますが、やはりこの言葉の測定をせずに補聴器を選ばれている方は何かしら不満の声をもたれている事のほうが多いと思われます。
言葉の測定・・・語音明瞭度測定
この語音明瞭度測定という言葉を初めて耳にされる方のほうが多いかもしれませんね。
聞こえの測定をするとき、「ピーピーピー・プープープー」等の音を聞いてボタンを押す測定が音の測定。
それに対して言葉の測定語音明瞭度測定は 「も」 「じ」 「に」 など言葉を流し、その聞こえた言葉を順に紙へ書いて頂き正答率をみるということをします。

この測定は様々な声の大きさでどのくらい聞き間違いが起こっているのかを調べます。
「小声のときの正答率は?」
「普通声のときの正答率は?」
「大声のとき・・・・?」
「怒鳴り声のとき・・・・?」
・
・
・
様々な声の大きさで調べ、そのときの正答率が何パーセントなのか?(明瞭度がどのくらいか?)
パーセントの数字が高ければ聞き間違いが少ないという結果となり、この測定結果よりお客様の補聴器の有用性を判断できるのです。
「なんだ。簡単だし全部正解するに決まってるよ。」
と思われますが、難聴が起こると「佐藤さん」と「加藤さん」等子音を間違えたり、場合によっては母音すら合わないことも。
この『言葉がハッキリしなくなる』現象がまだまだ一般に知られていないことから、皆さんがよく勘違いされることに結びついたりします。
「耳が遠くなっても大声を出せば大丈夫。はっきり聞こえる。」
違いますよ!
いくら大きい声を出しても「声は聞こえるけど何を言っているのかわからない」という場合もあるのです。
(特に感音難聴の方によくみられます)
ですので、聞こえの低下した方には「ゆっくり、ハッキリ」話しをすることが必要となります。
『高いお金をだして補聴器を買ったけど言葉がはっきりしない』
『いくら補聴器の調整に通っても良くならない』
といったお声がある場合、おそらく補聴器ができることの限界や、この語音明瞭度測定を行わず十分なカウンセリングがなされないまま補聴器を購入されたケースが考えられます。
語音明瞭度測定は、補聴器をつけるとどのくらい効果がでるのだろうか?を事前に調べることができる測定なのです。
そしてこの語音明瞭度測定は純音聴力測定同様、左右の耳で結果は異なります。
さて、わかりやすくまとめてみましょう。
語音明瞭度測定が必要な理由は主にこの3つです。
①補聴器の効果がどのくらい出るのか?をお客様が補聴器購入前にお伝えできる。
専門員が結果を理解し、お客様にわかりやすく伝えることで、買ってから
後悔しない補聴器選びを行うができます。
また、実生活においては周りの環境音の煩さにも関わりますので、この
語音明瞭度を理解頂いた上で試聴を行うことが良い補聴器の選び方に
つながります。
②どちらか片方の耳に補聴器をという場合・・装用耳の決定に。
よく「右耳のほうが聞こえが悪いから、右耳に補聴器を買いたいんだ」と
いったお声をお客様から頂きます。
ここで「はい、わかりました」と語音明瞭度測定を行わずに補聴器を聴こ
えの悪い方の耳に販売すると専門員失格です。
聴こえの良い方の耳に補聴器をつけたほうが良い例もありますし、聴こ
えの悪い方の耳に補聴器をつけたほうが良い例もあります。
この場合、お客様の主訴と語音明瞭度が選択において比重をしめます。
音の測定において左右の耳で聞こえが変わらなければ、語音明瞭度
測定結果の良いほうの耳への補聴器装用をお勧めいたします。
③語音明瞭度測定の結果を補聴器の調整に反映できる。
『音の測定』と『語音明瞭度測定』の結果測定結果を合わせることで、
お客様お一人お一人にあった補聴器フィッティングを行なうことができ、
より良いきこえを実現できます。
下記はリオネットセンター栄のお客様記録カードからデータを抜粋したものです。
私たちはこの語音明瞭度測定の結果グラフを元に、お客様にわかりやすくご説明しています。
事例1

正常語音明瞭度曲線(グレーの箇所)にグラフがくると良い聞こえを表し、ここからグラフが右に離れていくほど難聴の度合いが強まるとみてください。
この方の場合、左耳は小声(50dB)での測定だと正答率は25%。ほとんど聞き間違えております。すなわち、声は聞こえているが何を言っているのかわからないという結果です。
そして大声(70dB)での測定時に正答率95%でハッキリ聞こえるんですね。
小声を大声に変換する補聴器があれば、日常での会話はほぼ問題なく行えるという結果です。
対して右耳の結果を見ると、大声(70dB)での測定時で正答率30%。
そこからいくら声を大きく(80・90dB)して測定しても、正答率は55%を超えないのです。
すなわち、いくら声を大きく測定しても常に半分は聞き間違えており言葉がハッキリ聞こえないという結果です。
この場合、どのメーカーのどんな性能の良い補聴器をつけてもハッキリ聞こえることはありません。
補聴器購入時には必ず自身の語音明瞭度 (なかでも最高となる正答率) を理解しましょう。
私たち専門員はその理解のお手伝いをさせていただきます。
これも補聴器フィッティングの一つなのです。
その最高となる正答率を 最高語音明瞭度 といいます。
この言葉も是非覚えてください。
最高語音明瞭度もお一人お一人異なり、先程の事例では、左耳の最高語音明瞭度は95%、右耳の最高語音明瞭度は55%です。
最高語音明瞭度が良い場合、
補聴器の効果を非常に高く感じて頂きコミュニケーションが楽になります。
最高語音明瞭度が良くない場合、
補聴器をつけても言葉がハッキリしないといった訴えになるんですね。。
それはなぜか・・・
補聴器は「つけたら言葉がはっきりする医療機器」ではなく、
その方のもつ 最高語音明瞭度を引き出す医療機器」 なのですから。
今回、語音明瞭度ということでコミュニケーションにおいての補聴器の効能について書きましたが、補聴器はコミュニケーション以外にも「生活音や環境音を聞く」ことができる医療機器なのです。
語音明瞭度測定の結果が良くないからといって補聴器をしなくても良いわけではなく、自身の語音明瞭度を把握した上で補聴器と上手く付き合っていくことが重要だということを付け足させていただきます。
そして日常生活においては、その環境音によっても聞き取りは左右されます。
皆さん、間違いない補聴器選びを。
関連リンク:
【東京】リオネットセンター新宿
認定補聴器専門店リオネットセンター新宿
こちらのサイトで大変わかりやすく解説しておいます。
耳鼻科医の診療日記『語音聴力検査』
語音明瞭度測定を用いた補聴器評価法はこちらで極力簡単にまとめました。
補聴器装用効果と聞こえ(聴力測定結果)の確認方法!
集音器と補聴器の違いをわかりやすくグラフ化。実際の事例を元にご紹介します。
一目瞭然! 集音器と補聴器の違い。(名古屋本店の事例から)
必ず行わなければならない聞こえの測定に音と言葉があります。
両方とも重要な測定ですが、今回は言葉の測定を特集します。
すでに補聴器をお持ちのお客様がご来店時の際にも、初回は必ずこの言葉の測定を行います。なぜか・・・信じられないことに、よく聞くお声が「言葉の測定をしたのは初めて」だからです。
言葉の測定をしないで補聴器を購入し、偶然上手くいっているケースもあるとは思いますが、やはりこの言葉の測定をせずに補聴器を選ばれている方は何かしら不満の声をもたれている事のほうが多いと思われます。
言葉の測定・・・語音明瞭度測定
この語音明瞭度測定という言葉を初めて耳にされる方のほうが多いかもしれませんね。
聞こえの測定をするとき、「ピーピーピー・プープープー」等の音を聞いてボタンを押す測定が音の測定。
それに対して言葉の測定語音明瞭度測定は 「も」 「じ」 「に」 など言葉を流し、その聞こえた言葉を順に紙へ書いて頂き正答率をみるということをします。

この測定は様々な声の大きさでどのくらい聞き間違いが起こっているのかを調べます。
「小声のときの正答率は?」
「普通声のときの正答率は?」
「大声のとき・・・・?」
「怒鳴り声のとき・・・・?」
・
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・
様々な声の大きさで調べ、そのときの正答率が何パーセントなのか?(明瞭度がどのくらいか?)
パーセントの数字が高ければ聞き間違いが少ないという結果となり、この測定結果よりお客様の補聴器の有用性を判断できるのです。
「なんだ。簡単だし全部正解するに決まってるよ。」
と思われますが、難聴が起こると「佐藤さん」と「加藤さん」等子音を間違えたり、場合によっては母音すら合わないことも。
この『言葉がハッキリしなくなる』現象がまだまだ一般に知られていないことから、皆さんがよく勘違いされることに結びついたりします。
「耳が遠くなっても大声を出せば大丈夫。はっきり聞こえる。」
違いますよ!
いくら大きい声を出しても「声は聞こえるけど何を言っているのかわからない」という場合もあるのです。
(特に感音難聴の方によくみられます)
ですので、聞こえの低下した方には「ゆっくり、ハッキリ」話しをすることが必要となります。
『高いお金をだして補聴器を買ったけど言葉がはっきりしない』
『いくら補聴器の調整に通っても良くならない』
といったお声がある場合、おそらく補聴器ができることの限界や、この語音明瞭度測定を行わず十分なカウンセリングがなされないまま補聴器を購入されたケースが考えられます。
語音明瞭度測定は、補聴器をつけるとどのくらい効果がでるのだろうか?を事前に調べることができる測定なのです。
そしてこの語音明瞭度測定は純音聴力測定同様、左右の耳で結果は異なります。
さて、わかりやすくまとめてみましょう。
語音明瞭度測定が必要な理由は主にこの3つです。
①補聴器の効果がどのくらい出るのか?をお客様が補聴器購入前にお伝えできる。
専門員が結果を理解し、お客様にわかりやすく伝えることで、買ってから
後悔しない補聴器選びを行うができます。
また、実生活においては周りの環境音の煩さにも関わりますので、この
語音明瞭度を理解頂いた上で試聴を行うことが良い補聴器の選び方に
つながります。
②どちらか片方の耳に補聴器をという場合・・装用耳の決定に。
よく「右耳のほうが聞こえが悪いから、右耳に補聴器を買いたいんだ」と
いったお声をお客様から頂きます。
ここで「はい、わかりました」と語音明瞭度測定を行わずに補聴器を聴こ
えの悪い方の耳に販売すると専門員失格です。
聴こえの良い方の耳に補聴器をつけたほうが良い例もありますし、聴こ
えの悪い方の耳に補聴器をつけたほうが良い例もあります。
この場合、お客様の主訴と語音明瞭度が選択において比重をしめます。
音の測定において左右の耳で聞こえが変わらなければ、語音明瞭度
測定結果の良いほうの耳への補聴器装用をお勧めいたします。
③語音明瞭度測定の結果を補聴器の調整に反映できる。
『音の測定』と『語音明瞭度測定』の結果測定結果を合わせることで、
お客様お一人お一人にあった補聴器フィッティングを行なうことができ、
より良いきこえを実現できます。
下記はリオネットセンター栄のお客様記録カードからデータを抜粋したものです。
私たちはこの語音明瞭度測定の結果グラフを元に、お客様にわかりやすくご説明しています。
事例1

正常語音明瞭度曲線(グレーの箇所)にグラフがくると良い聞こえを表し、ここからグラフが右に離れていくほど難聴の度合いが強まるとみてください。
この方の場合、左耳は小声(50dB)での測定だと正答率は25%。ほとんど聞き間違えております。すなわち、声は聞こえているが何を言っているのかわからないという結果です。
そして大声(70dB)での測定時に正答率95%でハッキリ聞こえるんですね。
小声を大声に変換する補聴器があれば、日常での会話はほぼ問題なく行えるという結果です。
対して右耳の結果を見ると、大声(70dB)での測定時で正答率30%。
そこからいくら声を大きく(80・90dB)して測定しても、正答率は55%を超えないのです。
すなわち、いくら声を大きく測定しても常に半分は聞き間違えており言葉がハッキリ聞こえないという結果です。
この場合、どのメーカーのどんな性能の良い補聴器をつけてもハッキリ聞こえることはありません。
補聴器購入時には必ず自身の語音明瞭度 (なかでも最高となる正答率) を理解しましょう。
私たち専門員はその理解のお手伝いをさせていただきます。
これも補聴器フィッティングの一つなのです。
その最高となる正答率を 最高語音明瞭度 といいます。
この言葉も是非覚えてください。
最高語音明瞭度もお一人お一人異なり、先程の事例では、左耳の最高語音明瞭度は95%、右耳の最高語音明瞭度は55%です。
最高語音明瞭度が良い場合、
補聴器の効果を非常に高く感じて頂きコミュニケーションが楽になります。
最高語音明瞭度が良くない場合、
補聴器をつけても言葉がハッキリしないといった訴えになるんですね。。
それはなぜか・・・
補聴器は「つけたら言葉がはっきりする医療機器」ではなく、
その方のもつ 最高語音明瞭度を引き出す医療機器」 なのですから。
今回、語音明瞭度ということでコミュニケーションにおいての補聴器の効能について書きましたが、補聴器はコミュニケーション以外にも「生活音や環境音を聞く」ことができる医療機器なのです。
語音明瞭度測定の結果が良くないからといって補聴器をしなくても良いわけではなく、自身の語音明瞭度を把握した上で補聴器と上手く付き合っていくことが重要だということを付け足させていただきます。
そして日常生活においては、その環境音によっても聞き取りは左右されます。
皆さん、間違いない補聴器選びを。
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こちらのサイトで大変わかりやすく解説しておいます。
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